学生が、保育理論と実践を結びつけながら理解することができるよう、事例を豊富に挙げた。また、各章末に事例と課題を設け、子ども理解や対応の仕方などについて、学生が考察する機会を設けた。
「乳幼児の発達と領域『人間関係』」における乳児期から幼児前期において、二項関係における情動の共有、アタッチメント、三項関係における共同注意、指さし、自我の芽生え、表象の成立、模倣、自尊感情と自己主張などについて説明しながら、それぞれの発達段階で必要となる保育者との関わりについて言及した。
また幼児後期では、言葉で考える力、子ども同士の仲良し関係の誕生、仲良し関係での体験の共有化と蓄積、表象を言語化することによる理解の発達、教え合いの経験などについて論じた。
また「集団保育の場」では集団の中で共に育ち合う姿を、個から集団を見る視点、集団から個を見る視点、それぞれの子どもの力関係やいざこざなど多様な視点から論じた。その際、「集団化」していくクラス集団の変容についても言及した。