日本の児童福祉行政は、1990年代以降、いわゆる少子化対策をベースとした保育・子育て支援施策と児童虐待対策を含む社会的養護児童への対応の2つの領域に大きく分かれており、「子どもの最善の利益」や「ウエルビーイング」といった用語は共通するものの、その政策のスタンスは違うものを基本としているが、児童福祉政策として一貫した理念を置き、それを実践することこそが「社会的責任」であるという主張に基づき、イギリスの社会的養護児童政策のあゆみから、特徴的な事項を取り出し、それらが示す理念について考察した。