本シンポジウムでは、3名の発表者がシンデレラ譚を通して〈子ども〉を捉えることを目指した。シンデレラ譚を取り上げたのは、当該フェアリー・テールが長期にわたり世相を反映しながら子どもに向けて繰り返し語られており、従って〈子ども〉を考察するには恰好の題材のひとつであると考えたためである。3人の研究を通じて、18~19世紀の独仏英における子ども観の変化、並びに物語のありかたの変化の一端を捉えることができた。