ブーバーの聖書解釈方法論には、彼独自のライトヴォルト様式という文学的批評法、R的・傾向史的分析という歴史的批評法、行為遂行的・変化形成的な対話法があり、これらは聖書解釈における共時性/通時性/外部性が総合される三次元構造にもなっている。そこではテクストの最終形態を大切にしながら、歴史的解釈の変遷を経ながらも尚維持されてきた統一性に敬意を払うものである。