数の象徴性についての深層理解のため、小川洋子作品「博士の愛した数式」(小説及び映画)を題材として、文芸作品と臨床心理学との接点を体験する教授方法を工夫した。また「オスラーの定理」を例に、抽象度の高い数学概念(非物語文化)とそれをめぐる数学者たちの心理体験(物語文化)との関係に学生が直接ふれ、「理系」「文系」などの二分法から離れて柔軟な人間理解の視野をもつプロセスを提供した。特に高い授業評価をえた内容。