京都大学大学院博士後期課程3回生の執筆した事例論文に対する誌上コメントである。大学院教育の一環として事例論文を執筆し、外部コメンターのコメントにより事例検討の視点や事例に対する理解を深めるためのものである。本論文では、難しい引継ぎケースの心理療法過程から、女性の変容過程についてコメントした。恨みや、呪縛から開放され、河合隼雄の述べる「意志する女性」への変容の視点を提示した。