[一般社団法人日本箱庭療法学会 河合隼雄賞(奨励賞)受賞]
・日本箱庭療法学会河合隼雄賞(奨励賞)受賞 2012年10月28日。受賞対象:事例研究論文「術後せん妄時の幻覚に苦しむ癌患者にみられた身体性の回復に関する考察」『箱庭療法学研究』 第24巻第2号(2011年)に掲載)。受賞理由:外科手術による身体性の喪失がもたらす重大な精神的侵襲・自己感の混乱に苦しむクライエントに対する心理治療過程を扱い、こころと身体の根底的な繋がり・相互関係とそれをめぐる心理療法の在り方に関する本質的な問題に鋭くアプローチした独創的な研究論文である。夢、幻覚、主観的・身体感覚的レベルで語られる言葉を媒体として行うコミュニケーションによって、クライエントが身体性に向き合い、身体性の回復を通じて自己感そのものを回復することの心理治療的意義が明らかにされており、このことは、イメージを重視した心理療法の治療機序の問題に繋がる、きわめて斬新で貴重な知見と考えることができる。