治療者−患者の間に生じる深い水準での情緒的体験(転移−逆転移)を表すものとして誕生した「傷ついた癒し手」という概念は、現在では「癒し手」自身の過去の傷つきの体験を指し示すものとして一般に広まっている。本来の意味を問い直す研究発表の意義と、事例からの検討点についてのコメントを行った。