スイスは、1992年にEEA(欧州経済領域)への参加を国民投票で否決して以来、EU非加盟国として、EU政策をどのように進めるか腐心してきた。その結果、スイスは、EU加盟でも、EEA参加でもない「第3の道」として、EUとの双務協定を締結することでEU市場との繋がりを維持してきた。ところが、2014年に国民投票で、大量移民規制法の導入が可決されてしまい、EU市場との人の自由移動を巡り、スイスは今困難な状況に直面している。スイスが独自路線を維持することがどこまで可能なのか、本報告で検討を加えた。