本論文では、イタリア、ボローニャ市及びラヴェンナ市における子ども関連施設の調査の結果をまとめ、学校以外の教育リソースをもつ施設が行う教育活動の特徴及び意義を明らかにした。本調査は、インタビューや資料の分析を行い、それを通して、学校-地域-家庭などの連携による、より豊かな教育実践のあり方、及びそこにおける「知」の前提について問い直すことを試みた。その結果、地域の教育リソースの活用には、(1)地域の現状、特に子どもたちに対する調査を基盤とすること、(2)子どもたち自身の文脈に寄り添う教育プログラムの展開、といった特徴があることが示された。