本論文では、新渡戸文化短期大学教員と新渡戸文化子ども園(幼稚園)の教員による研修及び調査の実践分析を通して、養成校と現場との保育や教育に関する知見を相互に捉え直すことを試みた。フィールドとして「アート」による地域復興を実践している新潟県十日町市を選び、養成校の研究者と子ども園の教諭とがともに同じアート活動を観ることを通して、日々の保育活動にどのような知見が得られるかを分析した。その結果として、現場の教員が5感を通して獲得する知識は日々の保育環境の中で再構成されるとともに、そのプロセス分析を通して現在の保育学・教育学を捉え直す視点としての「環境」「体験」概念が得られることを示した。