1914~2019年の読売新聞「身の上相談」「人生案内」の記事から、家族成員間の関係について言及があるものを選別し、(1)家族の「親密性」を表現する用語の変化、(2)「親密性」の具体的内容、(3)「親密性」の言説の効果(何を正当化/批判したか)を検証した。1930年代に強調された「愛情」には強い夫権を追認させる効果があった一方で、1950年代に強調された「愛情」には、父母子の排他的空間において夫婦以外の人々を非当事者化する効果があるなど、「愛情」が示す内容は時代によって大幅に変化していた。