本研究は,英語学習における動機づけと学習量に与える「井の中の蛙効果」を検討した。「井の中の蛙効果」とは,同じ成績の学習者であっても,よくできる学習者ばかりの集団の中では,優秀な学習者との比較のために否定的な学業的自己概念を形成し,あまりできない学習者ばかりの集団の中では,レベルの低い学習者との比較のために好ましい学業的自己概念を形成しやすい現象のことである。分析の結果,動機づけに関しては所属クラスの習熟度が高いほうが好影響を与えることが示された。学習量については,所属クラスの習熟度によって所属クラス内での位置づけの影響が異なることが示唆された。