本実践では,映画を用いた作文,ディクテーション課題と,そこで使用される表現に関連する基本的な文法解説を軸とした授業を実施し,学生には題材に現れる「なるほど,そういうのか」と思った表現を自由に選んで「表現シート」にストックするように求めた。その上で自分がストックした表現の再生を問題とする小テストを複数回実施した。「なるほど,そういうのか」と思った表現が (i + 1) であるとすれば,どの習熟度の学生にとっても習得を最大化できると考えられる。毎回の授業後に実施した「振り返りシート」のコメントをKH Coder (樋口, 2014) で分析した結果,学期序盤に比べ,終盤は具体的な英語の表現及びその規則性に関する言及が増え,内容面と形式面をより統合的に結びつける傾向が見られた。