<研究報告>「第二次上海事変(1937年)の研究―台湾・国史館所蔵史料に関する若干の紹介―」
1937年の第二次上海事変が勃発する直前である7月から8月中旬までの時期に限定して、今回、台湾の歴史資料館・国史館で発掘した一次資料・電報を4点紹介した。横浜の中国総領事館等による当時の日本国内の厭戦的空気、40歳以上の召集に見られる日本軍の編成上の問題点、現地中国軍による上海における日本軍の艦艇や兵士の数量的な増強過程に関する詳細な報告、等である。これらはすべて、蒋介石の対日戦争への政治決断に影響したと思われる。