<書評>「宇野重昭・小林弘二・矢吹晋著『現代中国の歴史 一九四九~一九八五―毛沢東時代から鄧小平時代へ』有斐閣、1986年」
本書が豊富な一次資料を駆使して実証的な分析を行っている点を高く評価しつつ、毛沢東時代から鄧小平時代への大きな転換(非連続性)を強調する基本認識を示していることに対して、路線の左右の揺れ(政治優先あるいは生産力優先)の中にある連続性への軽視がみられるのではないかと指摘した。この書評を発表した数か月後に、天安門事件が発生している。