<巻頭言>「台湾、揺れるアイデンティティと歴史観」
2009年から一年間、台湾の中央研究院近代史研究所に訪問研究員として滞在した際、台湾社会が内側に抱えるアイデンティティと歴史観の複雑な内実に関心を寄せた。国民党の馬英九政権の下で、中台の交流が加速度的に深まりつつも、一方で台湾人としての国民形成が優勢に進行している実態を論述した。